俺様主人は時に甘い


獣を射るような先輩の瞳に、ごくっと唾を飲む。


何か……怒ってらっしゃる?


私、何かしたっけ?


先輩にされることはあっても、しでかす事は滅多にないと思うんだけど……



変な緊張感から、心臓の鼓動が速い。



「お前さ、何やってんの?」


「何って…?」



私は何もしてない。


ただ歩いてたら知らない男子に絡まれただけのことだ。



「男なら誰でもいいのか?」


「どういう意味ですか?」


「さっきの奴に触られてたよな?」



確かに肩を触られたし、腕も掴まれそうになった。


だけど、あれはあの人が勝手にしたことで私は気持ち悪くて仕方がなかった。



「何で触らせるだよ。危機感足りねぇんじゃないの?それとも誰でもいいのか?」


「っっ!別に触らせてるわけじゃないし、誰でもいいわけじゃありません!」


「は?どうだかな。お前は陽平が好きなんだろ?なのに俺にも良いようにされて、結局お前は他の女と同じで男好きなんだよ!」