「ちょっと落合さん、借りてもいい?」
「え?ちょ……先輩、もう授業…」
ニコリと笑って私の手首を掴む。
二人はその偽笑顔に真っ赤に顔を染めると、「どうぞどうぞ」と私の背中を押した。
「ありがとう」
「ご、ごゆっくりっ‼︎」
って、ごゆっくりじゃないし‼︎
そこは止めてよー!
なんて心の中で突っ込むけど、その声は当然聞こえるわけがなくて、私はズルズルと先輩に引きずられて行くのであった。
「ちょっと先輩!何処まで行くんですか⁉︎」
先輩は私の歩幅なんて考えもせず、自分の長い足を大股に歩く。
私は自然に小走りになるわけで、そろそろ息が切れてきたところだ。
「こっち来い」
すっかり俺様モードの先輩は、特別棟校舎一階の一番端にある階段下に私を押し込めた。
滅多に誰も来ない此処は、遠くから生徒の声が響いてくるだけ。
どんっ!と思いっきり背中を壁に押し付けられると、私は先輩と壁の間に閉じ込められた。

