俺様主人は時に甘い


「今、落合さんに何しようとしてた?」



質問の意図がわかっていない男子に、ニコリと態とらしい不敵な笑みを向ける先輩。


ゾクリと背筋が震える。


先輩の偽笑顔に周りはウットリしてるけど、それ違うからね!


怒ってる時の、一番怖いヤツだから!



「落合さんに忠告してあげたのに、感謝の気持ちもないようだったんで…」



そう男子が饒舌に話してるうちに、先輩は男子の目の前まで行くと。


ドンッ‼︎‼︎と、拳で壁を強打した。



シン、と一瞬で静まり返る廊下。


王子様の先輩がまさか壁を殴るなんて、誰もが目を疑ったことだろう。



「あー、ごめんごめん。蚊がいてね」



だけど、先輩はまだニコニコと王子様のように笑っている。


それが、私には逆に怖いし‼︎



しかも、蚊…ですか……


それはちょっと、いくらなんでも誤魔化しきれてないでしょう……