「先輩…」
見上げると、やっぱり先輩の凛々しい顔があって、思わず口元が緩んだ。
「か、笠原先輩…?」
男子もまさかの先輩の登場に驚きを隠せないようだ。
しかも、その表情は嬉しさも含んでるように見える。
それもそのはず。
先輩は女子のみならず男子にも絶大な人気を集めていて、大半の下級生が憧れてるんだから。
この男子の反応からして、多分その中の一人。
ましてや自分の中学の先輩だし。
「ミヤ、大丈夫か?」
「は、はい」
先輩は一度私に優しい目を向けると、すぐに男子に目を移す。
「君、今何してた?」
先輩がいると、野次馬が集まるのも早い。
まだ王子様キャラの先輩の背後に黒いオーラが見えるのは、多分私だけだと思う。
「え?何って」
先輩に話し掛けられた男子も、有頂天になり始めている。

