俺様主人は時に甘い


「はい…そうですけど」


「ねぇ、あいつの唯一の友達って君だよね?」


「あいつ?」


「森野だよ。森野鈴菜」



わざと声を大きくして鈴菜の名前を言うと、周りにいた生徒が好奇な目で私を見始めた。



何?この視線…


クスクスと笑う女子もいれば、可哀想にと哀れむ男子もいる。


とにかく居心地が悪い。



「何か変なことされてない?」


「…どういうことですか?」


「洗脳、とか?」



人を小馬鹿にしたような薄気味悪い笑みに、不信感が募る。



「洗脳なんてされてませんよ」


「そっかぁ…良かった良かった。でも、気を付けて。あいつの言うこと全てが嘘だと思った方が良い」



なんか、嫌だ。


むかつく、この人。


その薄気味悪い笑みも、善意で忠告してやったぞみたいな善人面も。


全部が生理的に受け付けない。



「皆、可哀想だねって言ってたよ?あんなブスに洗脳されて」



皆…?


この視線って、そういうことだったんだ。