「こっち向けよ」
先輩はそっぽを向く私の髪をサラリと撫でる。
髪の先まで神経が研ぎ澄まされて、先輩に触られた部分が熱い。
「もうお前としかしないから拗ねんなって」
「別に拗ねてなんかっ、」
反論しようと無意識に振り向くと、先輩はそれを見逃さず、私の顔を両手で挟んだ。
「俺はミヤがヤキモチ妬いてくれて嬉しいけど?」
そう言って、妖艶な笑みを浮かべると、手で私の後ろ髪を梳いて頭をゆっくりと引き寄せた。
最初は右に顔を少し傾けて唇を重ねるのが先輩の癖らしい。
触れるだけのキスをした後、角度を変えながら啄むようなキスになる。
暫く味わうと、甘い吐息を吐きながら離れてく唇。
その吐息を聞くたびに、胸が締め付けられて…
先輩としかキスしたことないけど、極上だってわかる。