「お前、何が目的なの?」
先輩が私を背に隠すように前に立って言った。
その顔は見えないけど、声は怒りが滲んでいる。
「先輩の周りから雅を消すために決まってるじゃない」
「消す?」
「そうよ。先輩だって困ってるでしょ?チビで泣き虫でウジウジした雅が周りウロチョロしてたら先輩のイメージが台無しだし」
チビで泣き虫でウジウジ……か。
鈴菜が今口にする全ての言葉が、矢のように次々に胸をえぐる。
もう…聞きたくない……
私の中にいる優しい鈴菜が、鈴菜じゃなくなる……
「そうか。なら望み通り消してやるよ」
望み通り消す?
え、と口を開きかけた時。
先輩が下駄箱を思いっきり蹴っ飛ばして、ガシャンッ‼︎‼︎と大きな音が昇降口に響いた。
先輩の足が下駄箱の扉をぐしゃりと破壊して、中の仕切りまでひん曲げてしまっている。
そこの下駄箱は、狙ったのか偶然なのかわからないけれど、鈴菜の所だった。
「お前が消えろ。こうなりたくなかったらな」
チラリと見えた鈴菜の顔は恐怖で蒼ざめて、身体が震えている。

