俺様主人は時に甘い


目の前にいる鈴菜は、もはや私の知ってる彼女じゃない。


ううん。私が知ってる鈴菜は、そもそも仮面を被った彼女だった。



「親友だって…思ってたのは私だけ?」



入学してから一カ月ちょっと。


楽しいことが沢山あった。


毎日一緒にお弁当を食べて、テレビの話とか先生の話をして。


移動教室もトイレに行くのもいつも一緒。


放課後はカラオケに行ったり買い物に行ったり。



あの日々は全部嘘なの……?



「は?親友?私は一度だってあんたを親友だなんて思ったことない」



鈴菜の言葉が、容赦なく私の胸を突き刺した。


今まで過ごしてきた日々が、ガラガラと凄い音を立てて崩れていく。



「っっ、」



冷え切った涙が静かに頬を伝った。



痛い…胸が、苦しい。


これは、現実なんだ。


これが、現実……なんだ。