俺様主人は時に甘い


「な、んで……?」



私の下駄箱に手紙を入れて、画鋲とカッターの刃だらけにした犯人は鈴菜なの?



「どうしたんですか?二人揃って怖い顔して。やっぱりお前だったんだなって何のことですか?」



鈴菜に慌てる様子はなく、いつになく堂々としてる。



「今更しらばっくれるつもり?その手に持ってる物は何だ?」



鈴菜の手元に視線を移すと、鈴菜はハサミと私の片方の上靴を持っていた。



「それ、私の上靴…」


「ヤダな、勘違いだよ。またイタズラされてたら雅が傷付くのわかってるから、雅が見つける前に見に来たの。そしたら下駄箱にハサミが……」



なんだ、そうだよね…


鈴菜が犯人なわけないよ。


だって、鈴菜は私のたった一人の親友だもん。



「は?それで信じると思ってんの?そんなんで信じんのは単純なこいつだけだよ」


「っっ、私は本当に……っ」


「今のうちに認めた方が身のためだと思うけど?」


「しょ、証拠は…?私がやったっていう証拠はどこにあるのよ!」