俺様主人は時に甘い


「…もしかしたら、傷付くことになるかもしれない」



犯人との直接対決。


罵声はもちろん、叩かれたりするかもしれない。



だけど、もうあんなのは御免だ。


いつも下駄箱を開ける時、ビクビクしなきゃいけないなんて嫌だ。



「大丈夫です。覚悟は出来てます。それに……」


「それに?」


「先輩もいてくれるんですよね?」



先輩が一緒にいてくれるなら大丈夫な気がするんだ。



先輩は目を見開いた後、ふっ、と笑うと。



「当たり前だろ。バーカ」



と言って、私の額にデコピンを食らわせた。







「せ、先輩‼︎ちょっと近過ぎじゃありませんかっ⁉︎」


「そうか?そんなことねぇと思うけど?」


「そんなことありますよ!大アリです‼︎」


「いいじゃん、別に」


「良くないですってば‼︎離れて下さい!」


「ヤダね。ったく、お前はああ言えばこう言うな」



むっかぁーっ‼︎



ああ言えばこう言うって、それはこっちの台詞だっつーの‼︎