「大丈夫。慶吾を信じて」
先生は私の隣りにしゃがむと、先輩の背中を見ながら言った。
「教師として…いや、兄として保証するよ。あいつは信じても大丈夫だ」
「先生…」
「とにかく落合は保健室に行こう」
そう言って、立ち上がると私に手を差し伸べた。
先生の手に触れる。
今まではドキドキして仕方がなかったのに。
今は不思議と落ち着いてる。
人の気持ちなんてわからないって言うけど、本当にその通りだ。
私は、先生に恋してた。
先生のことは間違いなく好きだった。
でも、それはもう過去のこと……
保健室で一時間目の始まりのチャイムを聞いた。
先生は私を保健室に連れてくるなり、保健の先生に任せてすぐに出て行ってしまったけど。
その時の先生は今まで見た事もないような、あの柔らかい笑顔からは想像出来ないような凄い剣幕だった。

