風薫る5月上旬。



白い日差しが教室に降り注ぐ。


空は快晴。


木々は青々と茂り、そよ風に揺れる。



窓際の後ろから二番目の席から外の景色を見ていると、教室の前のドアが開いた。



「おーい、席に着け。朝のホームルーム始めるぞ」



今日もいつもと変わらない逞しい声が響き渡る。


教卓に出席簿を置くと、「おはよう」と微笑んだ。


一人一人の名前を呼んでいく。


目を合わせながら、優しい声で。