「続きはまた、帰ったらな」 そう言って、私の頬に手を添えたかと思えば── 「柊奈」 初めて、私の名を呼んで。 顔を近づけ、掠めるように唇を重ね…… 「いってきます」 呆然とする私に甘く不敵な笑みを残し、出国審査の入り口をくぐっていった。 心臓が、壊れそうです。