「蓮井」 背後からかけられた桜庭さんの声に、私は再び体を強張らせた。 「は、はい……」 「これ、忘れてったぞ」 デスクに置かれたのは、取りに行ったはずのファイル。 どうやらパニックになりすぎて忘れてたらしい。 「す、すみません……」 「しっかりしろよ」 注意されて、私はもう一度謝罪を口にする。 ああ、もう…… 本当に、 変わりたい。