溺愛オフィス



不器用、パパさん。

それは、私が父に抱いてきた威圧感ある姿には到底似合わないような響きのあだ名だけど……


私の写真を毎日眺めていたという事実は


何だか


凄く


凄く


「……っ……」


嬉しくて。


口元を、手で押さえる。


「……お……と、さん」


溢れた涙と共に、今にも漏れ出してしまいそうな嗚咽を、そこに留めるように。


怖かった。

私を見下ろし、怒りをぶつけるように叱りつける父のことが。

褒められた記憶もなく。

喜んでもらおうと努力しても、父は唇を引き結んだままで。

何をしていても、父の目が気になって、気になって。

嫌われていると思っていたのに……


そうでは、なかった?