ある青年貴族の遺書

彼女は、美しすぎる。

どうしたらよいのだろう。
この想いを伝えられない。
いっそ彼女を知らなかった昔に戻りたい。
いや、嫌だ。彼女がいない世界など考えられない。
はりさけそうなこの想い。
どうしてこんな気持ちになるのだろう。

忘れたい。忘れなれない。憎い。苦しい。
ただ、愛し、愛されたいだけなのに。
許してください。神よ。愚かな私を。

これしか救われる方法がないのです。
願わくば、彼女の美しさが永遠に変わらぬことを。