あやひめ

関西男はそのまま船室に戻っていく。
口止めしてないよぉ。
やばい。
ここはなんとしてもっ。

「ね、ちょっと待って」
「星でも見ながら交友を深めようよ」

これじゃぁ、愛の告白だよぉ。
もっといい言葉があったはずなのにぃ。

自分の愚かさに赤面していると。
くるりと関西男は振り向いた。

なぜか、ちょっと驚いたような顔をしたけど。
にやりと笑って。素直に戻ってきた。

さっきの笑いが気になるけど。ま。いっか。