あやひめ

「田中っ。あいつキチクだしっ」
「はるなちゃん。そんなこと今更、気がついたわけ?」
田中は冷たく言い放った。

爽やか青年の仮面ではなく、地を出している。
「普通、理由聞くでしょ。なに、そのきっついセリフ!」
はるなも、負けずに言い返す。
可愛くて元気な女の子の仮面を剥いで、地を出す。
「ま、自棄酒しといたら。ワイン飲むんならつきあうよ」

「田中、何気取ってんだよ!焼酎だろ。普通」
「売ってないだろ。ってかもぅ飲んでるしっ」
「文句あるわけぇ?」
「いや、ないよ。今夜は限界まで飲もうか」