あやひめ

目の前に、爽やかな男子の顔があった。
これが、僕か。
「狩野さん、大丈夫?僕、K大の田中です」
色々と面倒をみてくれて、親切な助言をしてくれる。
関西男はそんな様子をみて、部屋を出て行った。
「狩野さん、まずはお友達になろう?せっかくだし」

この人、爽やかな感じだけど。絶対性格悪い。
だって、彼と同じ高校ってこと私に隠してるし。
さっき「おとす」とか言ってた。信用できない。
でも、でもさっき関西男のこと「キチク」っていってた。
どういうことか、ききださなくちゃ。

わたしは、なんで聞きだす必要があるか。
その時は、よく考えなかったんだ。
だって。ただ。知りたかっただけ。
あのひと、優しい人じゃないの?