あやひめ

なんか、声が聞こえる。でもまだ動けない。

「義範さん、あやちゃん起きないけど、大丈夫かなぁ。」
「ほっときや。そのうち目、さますだろうし」
「僕、驚いたよ。義範さんがあやちゃんだっこして連れてきたとき」
「ほっとくわけにもいかんやろ、一応仲間なんやから」
「あやちゃん、秘密にしてるっぽいけど、お嬢様なんだから、手。出すなよ」
「お嬢様、ねぇ」
「みんなには黙ってたけど、僕あやちゃんのことよく知ってるんだ」

義範・・・って誰。あぁ関西男か。
僕って?私、知ってる人、仲間うちにいないのに。

「あやちゃんの彼、高校んときの同級だから。プリクラとか見たことあるし」
「長い付き合いやったんやな」
「あいつ、悪いやつじゃないけど。ぬけてるし。僕にも希望あるかな、なんてさ」
「お前、もてんのに、告白断ってる理由って、それか?律儀やな」
「とにかく、あやちゃんは僕がおとすし。
義範さんみたいなキチクと関わって欲しくないわけだから。」

・・・キチク?