その人と出会ったのは19の年。
1カ月留学にむかう船の中。

「ね、あや。かっこよくない?関西の人」
友達になったばかりの女の子。
はるなの言葉がきっかけだった。
「そぉ?怖そうだけどなぁ。じゃ、話しかけてみれば」
私は1カ月でどこにいこうか、何を食べようか。
計画中で。
しかも、船酔いがひどくて。
ふらふらしながら適当なことを言った。
「えぇ、どぉしよ。でも、頑張る。応援してね!」
「ん、りょぉかい」

あの時、あんなこと言わなければ。
いろんなこと、知らないままでいられたのかもな。