ジャスミン花

りんさんは
「ぢゃ、お客さん待たしてるから行くね
また明日ね」

笑ってそう言った


「はい、お疲れ様です」
私も笑ってそぅ言った


凄く楽しかった


でも…キャバクラって言う世界は…No.1とNo.2のグループがある事を私はこの時何も知らなかった



りんさんという優しいNo.1の人と仲良くなれて…


私は着替えて店を後にした

なんとなく分かる東京の中
なんとなくしか分からない歌舞伎町を私は歩いていた

タクシーを拾い、私は家へ帰る
誰も居ない
誰も私を知る人が居ない

そんな家へ


私の生活はそうして一週間が過ぎた


私はりんさんに色んな事を教えて貰えた


私は場内指名だけで…
その一週間でNo.2になっていた


そんなある出勤した日だった


私は閉店時間に店長に呼ばれた


「愛ちゃん、本当に素人なの?」


「あっ、はい」


「びっくりだね。普通に帰った客がまたその日のうちに来て指名とかするなんて…」

「りんさんが色んな事教えてくれて…」

「そうなんだぁ…あのりんがね…」


その言葉の意味が少しわからなかった



私はいつの間にか
初め緊張してたキャバクラも
歌舞伎町も東京も
大好きになっていた



もしもあの時りんさんの誘いを私が断っていたら貴方には出会ってなかったね