ジャスミン花

「ごめんな…」

中川さんは謝った

私は首をふった

今まで我慢していた涙や想いは止まらなかった


「その手紙渡したくて…本間は別れてるから中川ぢゃないけど…」

切ない目をしながらそぅ言った


「ごめんな…」

何度も何度も中川さんはそぅ言った…


「海行く?」

頷く私…


二人は車を降りた

車を降りると風が吹いていた


私は車の隣から海を見ていた

砂浜で向き合って…指輪を交換した

プロポーズしてくれた千葉の海…



私は海へ走った


何もかもを忘れるよーに
涙を掻き消すよーに
私は走った


留める事がない想いと共に


中川さんはそんな私を切ない顔で見ていた




ねぇ…逢いたいよ
逢いたい 貴方に
これからも…忘れられない
この季節と共に…

はかないこの想い…


些細な喧嘩だって今は愛おしい


些細な事だって笑ってたね些細な事で意地張ったり

あの頃の私達は無邪気に輝いていて…

今もしも願いが叶うなら
もう一度貴方に逢いたいよ

いつか誰もが辿り着けるんなら
貴方はそこで待っていてね


愛してるから……


今でも…何も変わらずに…




私は海の砂浜に一文字書いた

ハートに囲まれた゛LOVE″って言葉と…『愛.裕喜』と言う名前を残して