ジャスミン花

海は静かだった…


「実はな…俺…裕喜の…兄やねん…
あいつは俺の弟やねん…」

私は驚いていた


「えっ…!?」


あいつからはそんな話聞いた事も無かった

兄が居るなんて…


「愛ちゃん何回か、うち来てるやんな?」

私は頷く

「ぉとんあいつには…ぉらへんやろ…?」

私はまた頷く


「離婚してる…ん知ってたやろ?」

私は頷く

「だから…俺に逢った事ないだけ」


「で…も…離婚…してる…そう…聞いて…たんですけど……お姉ちゃん…と…二人だけ…だって…」

私は思い出して泣いていた


「あいつな…ぉかんが…おとんの事嫌いやから、ぉかんの事想って、挨拶しに行った時もいわへんかったと思うねん…でもあいつは結婚する時に…言うつもりやったみたいやけど」


「離婚…して…て…どぅ…して…そんな…事…分かるん…ですか…?」


「ょー電話で話聞いてたから」

「離婚する前からあいつとは凄く仲良かったから。あいつ…本間に愛ちゃんの事大好きで…
よー愛ちゃんの話聞いてた」


私は泣いていた…

もぅ涙も止まらなかった


ふっと前を見る


あの広大に広がる海だった
静かに波を寄せていた

空には綺麗な星が幾つもあった