全部キミのせいだ。

「はい。ありがとうございます」


弾けるように爽やかな作り笑顔を、まるで本物のように私の母に向ける幼なじみ。


「本当に諒くんはイケメンに育ったわねぇ…!」


…この12年で、とうとう私の母まで懐柔(カイジュウ)しやがった。


「由華!食べたら早く行きなさい!」

「…はーい、」


私と諒の扱いの差に泣けてくる。

いや、泣かないけど。


「あと3分な」

「え、ちょっとそれは…いくらなんでも早すぎるんじゃ、」


小声で私にそう催促する幼なじみに抵抗するも、


「何か言ったか?遅刻するぞ?」

「…」


爽やかな笑顔に負けて、いつものごとく失敗に終わった。