急いで準備しなければ、と布団を蹴飛ばしてベッドから降りる。


大慌てで制服に着替え、部屋にある鏡に映った自分を見て頭を抱えた。


寝起きでひどい顔。

あっちこっちに跳ねた寝癖。


「見られたぁ…」


ショックを受けながらも、急がなければ本当に置いていかれるので、鞄を持って部屋を出る。


顔を洗い、髪を直してリビングへ行けば、そこにはさっきの幼なじみの姿があった。


…よかった、置いていかれなくて。


「由華(ユカ)、諒くんを待たせたらダメでしょ」

「いいんですよ、円華(マドカ)さん。申し訳ないことに、俺ここで朝ごはんご馳走になってますし」

「ご馳走だなんて。諒くんさえよければいつでもいらっしゃい」