今もあまり変わらないが、当時の自分の面倒くさがりというのかドライというのか、そんな性格に立原は苦笑してしまう。

「文化祭、ねえ。まさか本当に悠くんと付き合うとは思わなかったな、あの時は」
「涼子覚えてるの、だいぶ俺子供だったよね。恥ずかしい」
「そう?嬉しかったけど。まあ、今は本当に付き合っちゃてるしね」

不意に立原が「付き合っている」発言をしたせいで、浅岡は心拍数が一気に跳ね上がった。本当に付き合ってる…でいいのだろうか。

「あ、そうだ。話しって何?」

ちょうど頼んだ飲み物が来たタイミングで話しの切れ目になり、浅岡は一番気になっていた事を聞く。

「ああ…」

言いにくい事なのか、飲み物を口に運ぶポーズのまま、立原は口ごもる。

「あとで、で大丈夫よ」
「そう?」
「ところで文化祭いつあるの?」

さすがに気付くレベルの逸らし方だったが、立原があまり言いたくない事なら待とう、と浅岡はお人好しを発動させカップを置いた。

「再来週の日曜日」
「再来週、かあ。行きたいけどな」
「えっ?涼子来てくれるの。なんとなく面倒くさいって断られるかと思ったけど」