甘辛い食欲のそそる香りだ。
「何、作ったの?」
靴を脱ぎながら立原は尋ねた。少々唐辛子のような辛めの匂いもしている。
「あ、今日は唐揚です!あと、箸休めのキンピラを作りました。唐揚はやっぱ出来立てが一番だから漬けているだけで、まだ揚げていないんですけど」
だからちょっと待っててくださいね。と言い浅岡は一人台所に入る。しかし、立原は座ってただ待つ、ということは慣れない為、気になって台所を覗いた。
「なんか手伝おうか?暇だし」
何気なく声をかけたのだが、台所に入りかけて立原は固まる。真剣そのもので浅岡が必死に唐揚を揚げていたが、なんとも恐ろしい。
「ちょ、ちょっと悠くん、待った!」
油が跳ねるのが怖いのだろうが、フライパンからぐっと距離を取り、腕だけ伸ばして油に向かって肉を投げ入れるような体勢で揚げていた。
「今、話し掛けないで下さいっ!」
「ーー…分かった」
今日は浅岡が作ってくれるという事を思い出し立原は押し止まった。変に手を出すのは失礼だろう。
かと言って、一人にする勇気はなく、台所の入り口の暖簾から顔だけ出して浅岡を見守る。危険だ、そのやり方は逆に火傷のリスクが増すのだが、今は言わないことにした。一緒に料理していくうちに覚えればいい。
はらはらもするが、真剣に揚げる浅岡が段々微笑ましくなってきて、立原はリスキーな調理法でもいける気がした。
「何、作ったの?」
靴を脱ぎながら立原は尋ねた。少々唐辛子のような辛めの匂いもしている。
「あ、今日は唐揚です!あと、箸休めのキンピラを作りました。唐揚はやっぱ出来立てが一番だから漬けているだけで、まだ揚げていないんですけど」
だからちょっと待っててくださいね。と言い浅岡は一人台所に入る。しかし、立原は座ってただ待つ、ということは慣れない為、気になって台所を覗いた。
「なんか手伝おうか?暇だし」
何気なく声をかけたのだが、台所に入りかけて立原は固まる。真剣そのもので浅岡が必死に唐揚を揚げていたが、なんとも恐ろしい。
「ちょ、ちょっと悠くん、待った!」
油が跳ねるのが怖いのだろうが、フライパンからぐっと距離を取り、腕だけ伸ばして油に向かって肉を投げ入れるような体勢で揚げていた。
「今、話し掛けないで下さいっ!」
「ーー…分かった」
今日は浅岡が作ってくれるという事を思い出し立原は押し止まった。変に手を出すのは失礼だろう。
かと言って、一人にする勇気はなく、台所の入り口の暖簾から顔だけ出して浅岡を見守る。危険だ、そのやり方は逆に火傷のリスクが増すのだが、今は言わないことにした。一緒に料理していくうちに覚えればいい。
はらはらもするが、真剣に揚げる浅岡が段々微笑ましくなってきて、立原はリスキーな調理法でもいける気がした。
