9歳差は、アリですか?

「じゃあ、立原さんスタンバイお願いします」

ディレクターの声で、スーツを軽く整える。原稿もチラリと見て確認した。久しぶりで緊張というより、不思議な感じだ。新人の頃に戻ったようである。

「続きまして、衆議院解散のニュースです。先日解散された衆議院ですが、多くの波紋を呼んでいます。ここで政治部記者の立原に解説願います。立原さん、今回の解散はいつもと違うと言われていますね。どういった点が影響を及ぼすと考えられますか?」
「はい、今回は少し時期をみ余ったのではないかと言われています」
「それはどうしてでしょうか?」
「現在の国会の現状からすると、世論に反感を持たせかねません。新たな法律の承認をしたばかりで、支持率も低下しています。そんな中解散するのは国民は逃げていると感じ、ますます支持率の低下に繋がると思われます」
「なるほど、それでは…ーーー」

真面目に受け答えする立原を浅岡はテレビ越しに凝視していた。うわ、キリッとしてて、できる女性な感じで涼子さんめちゃくちゃカッコよくて綺麗。
立原が自分の彼女だと全世界に自慢したいくらいだ。