「あ、そうだ忘れてたすみません」
浅岡は姿勢を正して、立原をじっと見た。しっかりと見据えられ、立原は身じろぎできずに目を泳がす。
「俺、大学受かったんです」
「ああ、部長から聞いた。今日来た子たち、帝学の社会学科受かったって。えっと、おめでとう」
「あ、ありがとうございます。…
それでお願いしたい事があったので、伺ったんですけど、」
浅岡が変に他人行儀で、立原は戸惑い若干付け合わせを食べるポーズをして俯いた。
✳︎
「実は、その、べっ、勉強を教えて貰えないかと思って、…勿論、お暇な時だけでいいので、ダメですか?」
「なんだそんなこと」
身構えたのに拍子抜けして本音がこぼれた。少し期待したのがバカの様だ。
「いいよ。夜か週末だけだけど、いい」
「全然!親が塾行けってうるさくて…。どうせならと言うと聞こえ悪いですけど涼子さんに家庭教師というか、勉強を少しでも教えて貰えたら助かります」
「あたしで良ければ構わないわよ」
取り敢えず、繋がる口実が一つ出来て安堵する。意識してることがバレないように、立原は空の食器を集めた。
「それともう一つ」
食べ終わった食器を台所に運ぼうと立ち上がった時、不意に浅岡が話しかけて来て立原は動きを止めた。
浅岡は姿勢を正して、立原をじっと見た。しっかりと見据えられ、立原は身じろぎできずに目を泳がす。
「俺、大学受かったんです」
「ああ、部長から聞いた。今日来た子たち、帝学の社会学科受かったって。えっと、おめでとう」
「あ、ありがとうございます。…
それでお願いしたい事があったので、伺ったんですけど、」
浅岡が変に他人行儀で、立原は戸惑い若干付け合わせを食べるポーズをして俯いた。
✳︎
「実は、その、べっ、勉強を教えて貰えないかと思って、…勿論、お暇な時だけでいいので、ダメですか?」
「なんだそんなこと」
身構えたのに拍子抜けして本音がこぼれた。少し期待したのがバカの様だ。
「いいよ。夜か週末だけだけど、いい」
「全然!親が塾行けってうるさくて…。どうせならと言うと聞こえ悪いですけど涼子さんに家庭教師というか、勉強を少しでも教えて貰えたら助かります」
「あたしで良ければ構わないわよ」
取り敢えず、繋がる口実が一つ出来て安堵する。意識してることがバレないように、立原は空の食器を集めた。
「それともう一つ」
食べ終わった食器を台所に運ぼうと立ち上がった時、不意に浅岡が話しかけて来て立原は動きを止めた。
