俺に全然揺れてくれないし…。でも、やっぱりこれは俺が持ちます。ダメですか」
無でいられるわけがない。しかしそれが浅岡に伝わっていなかったようでほっとするが、ここで素直になれば可愛いんだろうなと自分が少し寂しい。素直に嬉しいと言えばいいのに27年もこの性格で生きてきてひねくれてしまっている。
「分かった。…ありがとう、持ってくれて。ーーーあとあたし今、別に彼氏とかいないから」
しかし、動揺したせいか、言う必要もないのにフリー宣言してしまった。ただ、彼氏と浅岡を比べてはいない事を遠回しに伝えたかっただけだが、よくよく考えると酷い台詞だ。
「あ、今はおられないんですね。じゃあ俺にも望みあるかなー、なんて」
おどけて、浅岡は爽やかに笑う。
さっきからだ、今日はおかしい。前みたいにストレートに好きと言ってくれない。匂わす、ぐらいで立原としては生殺し状態だ。
言ってくれたら…、今回は一時の気の迷いでも、前とは違う返事かもしれないのに。
調味料コーナーでウェイパーを探しながら、いつの間にか前向きな返事をする自分が出てこようとしていて立原は頭を振った。
「ていうか、びっくりしました。ちゃんぽんって家で作れる物なんですね」
「まあ、あたしの料理って大概『もどき』だから偽物だけどね。ウェイパー入れたらちゃんぽん風になるの。きくらげとか入ってないけどいい?」
「全然!涼子さんに作って貰えるだけでなんでも」
無でいられるわけがない。しかしそれが浅岡に伝わっていなかったようでほっとするが、ここで素直になれば可愛いんだろうなと自分が少し寂しい。素直に嬉しいと言えばいいのに27年もこの性格で生きてきてひねくれてしまっている。
「分かった。…ありがとう、持ってくれて。ーーーあとあたし今、別に彼氏とかいないから」
しかし、動揺したせいか、言う必要もないのにフリー宣言してしまった。ただ、彼氏と浅岡を比べてはいない事を遠回しに伝えたかっただけだが、よくよく考えると酷い台詞だ。
「あ、今はおられないんですね。じゃあ俺にも望みあるかなー、なんて」
おどけて、浅岡は爽やかに笑う。
さっきからだ、今日はおかしい。前みたいにストレートに好きと言ってくれない。匂わす、ぐらいで立原としては生殺し状態だ。
言ってくれたら…、今回は一時の気の迷いでも、前とは違う返事かもしれないのに。
調味料コーナーでウェイパーを探しながら、いつの間にか前向きな返事をする自分が出てこようとしていて立原は頭を振った。
「ていうか、びっくりしました。ちゃんぽんって家で作れる物なんですね」
「まあ、あたしの料理って大概『もどき』だから偽物だけどね。ウェイパー入れたらちゃんぽん風になるの。きくらげとか入ってないけどいい?」
「全然!涼子さんに作って貰えるだけでなんでも」
