友人と校内を歩いていた時、突然目の前を中等部の制服を着た男の子が横切った。そして、凄い勢いで走り去ったと思いきや、校舎の影に突っ込んで行く。
中学生が大学の校舎で何をするのか分からず、大学4年生の立原涼子は友人と共にそっと後をついて行って覗き込んだ。

「ヨッシー!大丈夫⁉︎ここに居たんだ、よかったあ。どこ怪我した?保健室行こ」

そこには、ヨッシーと呼ばれただいぶ殴られた様子の中学生が倒れており、先程の子が介抱しいた。

「誰?こんなことしたの。俺が殴り返しに行ってやる」

怒りを滲ませながら悔しそうにヨッシーに聞く。今にも殴り込みに行きそうな勢いだ。

「ハルカ、大丈夫、だから…。いいよ別に、そんな事しても、多分、あいつら、反省なんて、しないから」

きつそうに喋るヨッシーを「ハルカ」はゆっくり起こし、立つ手伝いをする。
イマドキこんないい子がいるのね、少し関心した立原は固まる友人をよそに、中学生に近づいた。