9歳差は、アリですか?

顔が真っ赤になって上目遣い気味に浅岡の様子を伺う立原を見て少しホッとする。差し出された時は前の男にもやってたのかなあと嫉妬しそうになったが、この様子だと浅岡が初めてのようだ。
それが優越感をひしひしと感じさせる。

「ありがとう涼子。美味しい、」
「ーーーよかった…、」
「って言いたいけど、…本当は嬉し過ぎて味なんか分からなかった。男なんかこんなもんだよ、下心満載なんだから気をつけとかないとね」

真っ赤に顔を染めている立原に浅岡は悪戯っぽく笑った。なんだか意外と立原より浅岡の方が上手を取っているようで心地よい。9歳も年下なのに年の差を感じずにフラットに恋人ができてるみたいだ。

「食べ終わった?デザート選ぼう」
「う、うん」
「何がいいかなあ」
「あたしブルーベリータルト」
「飲み物は?アイスティー?」
「うん。悠くんは?」
「俺は…、看板メニューってあるからガトーショコラかな?」
「あと、ベリームースも食べたいな」
「初夏限定のソーダゼリー添えのりんごのコンポートもいいね。初夏でりんごっていうのが微妙だけど爽やかな感じじゃない?」
「あたしにも分けて」
「いいよ?さっきのお返ししようか?」

少しからかうと目をそらし、可愛いピンクの唇を尖らすから、キスしたい衝動が浅岡の全身を走る。これが無意識ならとんでもなく心臓がもたない。