9歳差は、アリですか?

ラブラブしながら水族館のような鑑賞のスペースを抜けて2階に上がると、

驚くほど今までのいい感じの雰囲気はダダ崩れだった。浅岡もリサーチミスらしく、二人同時に固まる。なんともごちゃごちゃした、鑑賞スペースのムードが台無しなカオスな空間だ。
というか本当にただただ汚い。

「…あ、涼子。ーーーそのなんかごめん…」
「べ、別に大丈夫よ…」

思わず二人で顔を見合わせ、それからギャップが後からじわじわ来て、ーーークスリと笑いあった。
そして、手を繋ぎ直してカオスな空間に足を踏み入れる。大きな水槽から小さいカップなどに、魚がうようよと雑に置いてあった。1階の魚達とは大違いな扱いを受ける魚を一つずつ見て回る。

「なんか買おうかなあ」

生き物を今まで飼った事がないため、立原は生まれて初めて少し興味を持って、いくつも重なる掌に乗る大きさのカップタイプの水槽を覗き込んだ。

「なんか買おうかなあ」

口の中でつぶやいたのだが、ほとんど時差なく隣からも同じ台詞が聞こえて肩が揺れた。

「悠くんなんか買うの?」
「うーん、生き物今まで飼った事がないから初めて飼ってみようかなって」
「いいね。あたしも選ぼう」

鑑賞スペースでは海水魚ばかりだったが、飼いやすい淡水魚も多数扱ってあって、そちらのコーナーにいく。