9歳差は、アリですか?

女だったら可愛いんだろうなあ、とヨッシーは乾いた笑いで浅岡を見た。

「とりあえず本当に何も分からないから、色々買ってみたんだけど…」

そうとは知らず、浅岡はガサゴソと鞄から数冊の雑誌を取り出した。表題はどれもおすすめデートスポットを推している。適当にぺらぺらめくりながら、相談に乗るといいつつも、彼女の事が気になるヨッシーは、聞く気ゼロで流した。

「でもやっぱり、ハルカと立原さんのデートでしょ?俺が勝手に口出しするのも違う気がするから、自分で考えた方がいいかもよ。立原さんもハルカが選んだ所のが嬉しいだろうし」

聞こえのいい事を並べて、かわした。正直ヨッシー自身も恋愛に関しては今はあまりあてにならなさそうだ。
そっかー、と天然浅岡は唇を尖らして残念そうに雑誌に目を落とした。

「まあ、そうだよね。自分のことだから俺が決めないといけないよね。ごめんヨッシー」

爽やかな笑顔を向けられ、ヨッシーは苦笑した。なんて純粋なのだろう。
ますます苦笑いになり少し反省する。俺もレナと頑張ってみよう、なんて思いながら昼休み終了のチャイムを聞いた。