しかし、浅岡も一歩近づいて来て手を伸ばして来た。そしてプレゼントを受け取る。思わず立原は涙で濡れた頬のまま顔を上げて浅岡を見た。受け取ってくれるとは思ってなかった為、驚きとともに胸の奥がスッとなる。
「涼子さん、なんで…?」
が、浅岡の声は低く、怒っているのは当たり前だろう。勝手に振ったのだから。ただ、その声にごめんと小さく謝ることしか出来ずに立原は踵を返した。
もう、振り向けない。これ以上傷つけてしまうのは嫌だ。言い訳もしたくないし、そもそも今更だが合わせる顔がない。立原は先程走ってパンプスで靴擦れした足で駆け出した。
「涼子ッ!」
しかし、その前に肩を強く捕まれ強引に振り向かされる。そして、
しょっぱい。涙が。
唇が静かに重なった。理解するのに数秒かかる。離れてから感覚が戻り、立原は何もかも忘れて大きく見開いた目で浅岡を見た。
「なんで、」
「なんでって?」
なぜだか余裕があるような浅岡の声音にどきりとした。
「ーーーそんなの決まってるでしょ、涼子が好きだから。いくら振られても諦められないくらい涼子が好きだから」
吸い込まれてしまいそうな程浅岡の目に見入る。そして、立原は膝から崩れた。
「涼子さん、なんで…?」
が、浅岡の声は低く、怒っているのは当たり前だろう。勝手に振ったのだから。ただ、その声にごめんと小さく謝ることしか出来ずに立原は踵を返した。
もう、振り向けない。これ以上傷つけてしまうのは嫌だ。言い訳もしたくないし、そもそも今更だが合わせる顔がない。立原は先程走ってパンプスで靴擦れした足で駆け出した。
「涼子ッ!」
しかし、その前に肩を強く捕まれ強引に振り向かされる。そして、
しょっぱい。涙が。
唇が静かに重なった。理解するのに数秒かかる。離れてから感覚が戻り、立原は何もかも忘れて大きく見開いた目で浅岡を見た。
「なんで、」
「なんでって?」
なぜだか余裕があるような浅岡の声音にどきりとした。
「ーーーそんなの決まってるでしょ、涼子が好きだから。いくら振られても諦められないくらい涼子が好きだから」
吸い込まれてしまいそうな程浅岡の目に見入る。そして、立原は膝から崩れた。
