「ーーーあいたい」
「ごめんね、ほんとに…」
「ーーー悠くんッ」
焦りから感情がぐちゃぐちゃになって行く。せめてプレゼントは渡してあげたかった。折角包んでもらった本は握り過ぎてラッピングがめちゃくちゃだ。
「悠くん…っ」
ごめんね、あたしッ、
涙が溢れてきそうで上を向いた。嫌味なくらい晴れていて卒業式日和な天気だ。結局こういう結果なのである。そろそろ諦めなければいけないだろう。
静かに瞼を閉じて息を深く吸い込んだ。
「ーーー涼子…?」
その時後ろから誰かに呼ばれた気がした。
「涼子、さん?」
後ろからの声に動けないうちに再び呼ばれる。この声は忘れる訳がない、間違える訳がない。固まったまま本当に動けない。
「涼子さん、だよね」
やはり。
浅岡だ、この声は。愛おしいような感覚になる。会いたかった。ごめんね酷いこと言って、本心ではなかったのあれは。
「悠くん…」
ようやく声を絞り出し振り向く。
「ごめんね、ほんとに…」
「ーーー悠くんッ」
焦りから感情がぐちゃぐちゃになって行く。せめてプレゼントは渡してあげたかった。折角包んでもらった本は握り過ぎてラッピングがめちゃくちゃだ。
「悠くん…っ」
ごめんね、あたしッ、
涙が溢れてきそうで上を向いた。嫌味なくらい晴れていて卒業式日和な天気だ。結局こういう結果なのである。そろそろ諦めなければいけないだろう。
静かに瞼を閉じて息を深く吸い込んだ。
「ーーー涼子…?」
その時後ろから誰かに呼ばれた気がした。
「涼子、さん?」
後ろからの声に動けないうちに再び呼ばれる。この声は忘れる訳がない、間違える訳がない。固まったまま本当に動けない。
「涼子さん、だよね」
やはり。
浅岡だ、この声は。愛おしいような感覚になる。会いたかった。ごめんね酷いこと言って、本心ではなかったのあれは。
「悠くん…」
ようやく声を絞り出し振り向く。
