楽しくないなら帰ればいいのに、と浅岡は面倒くさそうに彼女を見る。昨日のこともあり、多少気まずい。
「江東さん、別帰ってもいいよ」
「そうじゃなくて!ハルくん全然構ってくれないんだもん」
それは面倒くさくて浅岡も楽しくないからだ。構うとかそういう発想が浅岡には理解できないのである。
「ハルくん、ちはる以外で好きな人いるの?」
不意に尋ねられ浅岡は少し詰まる。一番初めに立原が浮かんで急いで頭を振った。やはり、好きでもないのに付き合うのは失礼だっただろうか。
振られたが、後学(立原をもう一度本気で振り向かす)のために経験してみようと思ったが、失敗だったようだ。立原と全然違うタイプで、女慣れしていない浅岡には疲れる子だった。
「江東さん、別れて貰える?」
「え?なんで…」
考える前に口から出ており焦ったが、彼女は食い気味に体を乗り出して来た。
「いや、だって俺。江東さんのこと好きじゃないから」
「知ってるよ。告白した時そう言ってたもんね。好きな人いるって。でもちはるは別れたくない。ちはるはハルくんのこと好きだもん」
「だから、別れよう。そんなんで付き合っているって江東さんに失礼だから」
ごめん、と言って浅岡は立ち上がった。経験積むはずが、むしろ立原のことを好きになり過ぎて比べてしまう。
「ハルくん、そんなにその人のこと好きなの」
「うん。振られたけど、また告白しに行こうって思うくらい好き」
「そっか…」
彼女は俯いて小さく呟いた。泣きそうになっていることが浅岡でも分かったが、付き合うことはやはりできない。
「ごめんね」
「ううん、ありがとう。付き合ってくれて、ちはるは楽しかった」
「江東さん、別帰ってもいいよ」
「そうじゃなくて!ハルくん全然構ってくれないんだもん」
それは面倒くさくて浅岡も楽しくないからだ。構うとかそういう発想が浅岡には理解できないのである。
「ハルくん、ちはる以外で好きな人いるの?」
不意に尋ねられ浅岡は少し詰まる。一番初めに立原が浮かんで急いで頭を振った。やはり、好きでもないのに付き合うのは失礼だっただろうか。
振られたが、後学(立原をもう一度本気で振り向かす)のために経験してみようと思ったが、失敗だったようだ。立原と全然違うタイプで、女慣れしていない浅岡には疲れる子だった。
「江東さん、別れて貰える?」
「え?なんで…」
考える前に口から出ており焦ったが、彼女は食い気味に体を乗り出して来た。
「いや、だって俺。江東さんのこと好きじゃないから」
「知ってるよ。告白した時そう言ってたもんね。好きな人いるって。でもちはるは別れたくない。ちはるはハルくんのこと好きだもん」
「だから、別れよう。そんなんで付き合っているって江東さんに失礼だから」
ごめん、と言って浅岡は立ち上がった。経験積むはずが、むしろ立原のことを好きになり過ぎて比べてしまう。
「ハルくん、そんなにその人のこと好きなの」
「うん。振られたけど、また告白しに行こうって思うくらい好き」
「そっか…」
彼女は俯いて小さく呟いた。泣きそうになっていることが浅岡でも分かったが、付き合うことはやはりできない。
「ごめんね」
「ううん、ありがとう。付き合ってくれて、ちはるは楽しかった」
