「あったりめーだ。やっと思い出した?」
「うん、やっと」
うん。すごく、思い出せたよ。
私も、本当に陸上が好きなんだなぁ。
そんな私も、あれ?
さっきまですごい疲れてたのに、なんだか体が軽い?顔も少し熱くて、ほてってる気がするなぁ。
やっぱ、久しぶりに走ったせいなのかな?
「明日からも来んの?」
「いくよー!椎谷くん、まだ長距離やってる?」
「おう」
「そっか。じゃあ明日からわたしを鍛えてね!また長距離やるつもりだからー」
「…まじで?!」
椎谷くんの、もともと大きいぱっちりした目が、さらに大きく見開かれびっくりした表情をしている。
「そんなに嬉しいのっ?!ふふ」
「んな訳!久しぶりのくせに、よくヨユーぶっこいてられんなって思いましてね、センパイ。」
「もう!センパイをなめんなよ、椎谷南!それじゃあまた明日!」
「おい」
??
「どうせ帰り道一緒なんだし、一緒に帰んねぇ?」
