「何か用ですか」

無表情に千影が聞くと、
「用があるから探すんだよ。お前、何してんだこんなとこで?それに右手!血が出てるぞ」


「あ…転んだんです」

「北野たちにやられたのか?」


千影は目をそらした。


「いえ、本当に自分で転びました……」


竹本は千影をじっと見ていたが、

「ふうん。分かった。まぁいいや、行くぞ」
と言うと、千影の怪我をしていない左手を取って歩き出した。



「せ、先生?どこに行くんですか」

戸惑いながら聞く千影を竹本はジロリと見た。


「保健室だよ!」