勇人が近づいてきて、千影の頬に手を触れた。


千影はビクッと身を縮める。


「そんな固くなるなって」


勇人は千影に顔を近付けた。


「ま……待ってお兄ちゃん…こんなの、良くないよ…」


「は?」


「お兄ちゃんには、感謝してる。あたしを見えないところでフォローしてくれてたなんて、知らなかった。でも、あたしたちは兄妹なんだよ?血が繋がってないにしても、こんなことダメだよ……」


千影は精一杯の声で言った。


勇人をチラリと見る。


勇人は、冷たい目で千影を見ていた。


その視線に、千影はゾクッと鳥肌が立つようだった。


「じゃあ、いいんだな?」