「オラァ!」

ほら、どこからか雄叫びが。

声を出さないと喧嘩出来ねぇのかね?

「おにーいさんっ」

「あ?誰だテメェ」

…カツアゲか?

ヒョロいのが怖がってる。

「私が相手してあげる」

「あ?」

「そこの君、逃げな」

私はヒョロいのに手でしっしっとやった。

「あぁ、ありがとうございます!」

「ッチ、逃したか。おいねぇちゃん、あんま調子乗んじゃねぇぞ?」

「君がね」

「なんだと?オラァッ!」

「………おっと」

私は男のパンチを避け、回し蹴りをした。

「………っ、オラァ!」

まだやんのか。

私は足で溝を蹴ると、男にアッパーをお見舞いしてやった。

「………はぁ、はぁ」

弱い。

「おめぇ、なにもんだ……っ」

辛そう。ごめんね?

「………華風ーKahuー」

「か、華風…だと……?」


私はみっともなくぶっ倒れているその男をもう1発蹴り、その場を後にした。

私の通り名は華風。

華のように舞、風のように素早い動きから。

らしい。