「………ん。ついた」
「ありがとな」
私は夏のバイクから降りた。
「じゃあな、」
「あぁ、気をつけて。」
私がそう言ったら夏はバイクを再び吹かして帰っていった。
「………ふぅ。」
私はマンションに入り、最上階の家に入った。
「よし、」
カラコンとカツラを外すと、ハニーブラウンの腰まである髪をポーニーテールにし、Tシャツの上に真っ黒のパーカーを羽織り、チャックを上まで閉めた。
そしてショートパンツを履き、耳には大きな蝶のピアス。
「よし、おっけい」
スニーカーを履いて家を出た。
これが、私の仕事スタイル。
動くときの、ね。
車庫に止めてある自分のバイクに跨り、繁華街へ向かった。
繁華街は仕事がたんまりとあるからね。