「まぁ、喧嘩にならないようにしてくれ」
「…大丈夫ですよ。私、男装してますし」
「んー、だかなぁ。名前はそのままだろ?」
………忘れてた。
「アホか」
誠にチョップをされる。
痛ぇな。
「まぁ、バレても喧嘩にはならないと思うよ」
あっちもそこまで馬鹿じゃないはず。
「ならいいが。さ、用はこれだけだ。もう部屋に戻って休みなさい」
成さんはそう言って立ち上がった。
私たちもそれにつられて立つ。
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
「あぁ。またな」
私と誠は部屋を出た。
「……………誠、前に鈴木ツバサに会ったでしょ」
私はそう言って立ち止まり、誠を見る。
誠は目を私から逸らす。
………本当、この癖治んないね。
「会ったんだね。なんで言わなかったの?」
誠は視線を落としたまま、動かそうとしない。
「……………はぁ」


