プライベートビーチか。
坊ちゃんだな。
「ねぇー、遊ぼー!」
龍太うるせぇし。
「ほら!みずなパーカー脱いで泳ごーよー!」
龍太は私のパーカーを引っ張る。
私は水着の上にパーカーを羽織ってチャックを上まで閉めている。
……傷があるからね。
「やだ」
「なんでー!」
「…みずな泳ごー」
治矢まで。
はぁ。
「わかったわかった。後悔すんなよ?」
この傷を見て。
私はパーカーを脱いだ。
「……」
「……」
「…その傷……」
「…どうしたんですか?」
「ほら、後悔すんじゃん」
私ははっ、と笑うとそう言ってみんなを見る。
…私の左の横腹にある、三日月型の大きな傷を見ているみんなに。
「…後悔してない!」
龍太が叫んだ。
「は?」
「後悔なんてしてない。お、俺はみずなのこと、ひとつ知れて嬉しいって思ってる!」
「…俺も」
「俺もです」
「…あぁ」
ポジティブ
「…ありがとう。私も、そう言って貰えて嬉しいよ」
私はそう言って口角を無理矢理上げた。
無理矢理……
いつか、自然と笑えるかな?


