ストレスの原因だった葵も、

すれ違うときあいさつを交わすくらいの仲になってからは逆に気が楽になった。



変に避け続けるよりやりやすい。



向こうも向こうでクラス内で結構モテているみたいで、私に話しかける暇もないみたいだし。




客観的に見れば葵は中2のときよりもずっとかっこよくなっていた。

背もさらに伸びて、声もすっかり男の人のものになってしまった。


あの低音ボイスと甘いルックスに心臓を貫かれる女子も少なくないらしい。





でも皆アイツの本性を知らない。

あの人の心には愛なんてない。

皆早く気づけばいいのに……。



こんなことを時々思っていた。




そんな日々が続いていたある日……