「じゃ、俺行くから。」 「うん……」 葵ははしごを登るみたいに簡単に足場を見つけていって、あっという間に崖の上に着いてしまった。 「すごっ……」 なんとなくさっきまで葵の膝の上にあった後頭部に触れてみる。 ちょっとだけ温かさが残っているような気がした。 ま、多分気のせいだけど。 その時、近くで先生たちの話し声が聞こえた。 大嫌いな幼なじみと再会した場合③ 助けてくれたし、口は利くようになる。