「え、ウソ……」 隣にいるはずの深雪がいない。 前後を見てみるけど、それらしい姿は見当たらない。 「深雪っ……」 両脇は少し急な斜面になっているから、追い抜かそうとする人もいないはずなのに……。 どうしよう…。 歩くのに集中しすぎた。 一旦止まって流れる人混みから深雪を探すが、やはり深雪は来なかった。 先に行ったのかな…。 それならいいんだけど… すぐ後ろにある険しい坂を見て、背筋がゾクッとなった。