私がずっと押し黙っているのに飽きたのか、 葵は購買とは逆の方向に歩き出した。 「ちょっ、待って!」 昼休みは人が多いから、スムーズに前に進めない。 私は懸命に葵の背中を追った。 「真田!お金…返して…」 あの人なんであんなに歩くの速いわけ!? 存在感があるから周りがよけてくれるんだろうか。 私の存在感のなさって一体……