そんな優越感をごまかすためにすぐに用件を伝える。 「これ。先生が男子に回せ、って。 移動教室のバスの座席。 もう女子は決まってるから。」 葵はそれを受け取ると、 「お前、席窓際なんだ」 と言った。 「え、うん。乗り物酔いしちゃうから…。 これね、隣深雪なんだ!超嬉しい!」 葵は「良かったな」と言うとすぐに男子の所へ行ってしまった。 つまんない…。 もっと話してくれてもいいのに…。 結局、葵の席は私の斜め後ろの通路側に決まった。